風信子/松浦亜弥

はじめて聞いたときは、インパクトが小さくて盛り上がりに少し欠けるかな、という印象も あったのですが、いやいやどうして、じわじわ胸に染み込んできます。先日もCD屋さんで うろうろしていた時、この曲が流れてきて、とろけるようにうっとりとしてしまい、思わず その場に立ちすくんで聞きほれてしまいました。


そしてとにかく、口ずさんでしまいたくなるんです。今日のHEY×3にしても、先日のポップ ジャムにしても落ち着いてあややの歌声を聞けばいいものを、あややの声にかぶせて、 思いっきり歌う自分がそこにいました。


谷村さんの今回のテーマは、「最近あまり聞けなくなった歌」を主題として、60年代風に 仕上げたとのことですが、その意味するところは他でもない、実は、自然に心地よく、 口ずさめる歌のことだったのかもしれません。


そんな古くて初々しいこの曲のメロディラインは、やはり谷村節なんでしょうか。確かに、 谷村さんがこの曲を歌っている姿は容易に想像できるし、谷村さんが歌ったら多分、 もっと違った風になるだろう、あややには申し訳ないけど、もっと心に染みるかもしれない、 などといけない思いを抱いたりしましたが、でも、逆にこの曲がつんくさん作曲だと言われ れば、微塵も疑う余地はなかったことでしょう。そして、多分あやや以外の人が歌って いたら、こんなに好きになれたかどうか自信はありません。つまり、この曲が今とても お気に入りなのは、楽曲の力もさることながら、歌い手あややに引き込まれているからだ と言うことはまず間違いない。


娘。や松浦さんの楽曲がすばらしいのは、つんくさんの才能はもちろんなのですけど、 娘。や松浦さんの魅力と才能が、つんくさんの才能を引き出しているんだと言うことも、 100%正しいでしょう。つまり、お互い触発しあっているわけで、どちらか一方だけの実力で 彼女たちの成功がなされているわけじゃありません。


でも、そう考えれば、デビュー当時ならいざ知らず、今の娘。ならば、つんくさん以外の プロデュースでも、相乗効果さえ発揮し合える相手なら、すばらしい作品も出来上がるんで はないか、と思うのです。一度そんな挑戦も目にしてみたいな、と思ったわけです。


さて、昨年秋のあややのライブは、開幕当初の数公演を除けば、正直、自分的にはイマイチ だったわけで・・・・・・、DVDもせめて、「ナビが壊れた王子様」でも入っていれば買うのになぁ、 と思いつつ、いまだに入手していない状態で・・・・・(お座り「ね〜え?」が見たいからいつか 買うだろうけど)。


でも、今年の春のライブは期待できますね。アルバム「×3」のいくつかの名曲が 演じられ、今までとは風変わりしたあややを体験できることでしょうし、今年発売のシングル も出来映えがいいっ!今年は、公演数も少ないので、一つ一つの公演を密度濃いものに 仕上げてくれることを期待しています。