後藤真希「3rdステーション」(遅くなってごめん)

やったぜ、AVEXにもGIZAにも負けないCD登場!!


何が良いって、まずジャケット。


これがハロプロのCD?って感じで、その垢抜けたおしゃれさが、SO COOL!
ごっちん本人もナチュラルで本当にいい表情をしている。
オレンジの色使いもいい。風景の場面が原色系のないソフトフォーカスのため、
シンボルのオレンジがいっそう引き立っている。
ついでに言うなら、CD盤自体のセンスもいい。


さて、本題に入ろう。


まず第一に今までのような埋め合わせ感がまったくない。つまり新作が多い。
数の多さだけでない。それぞれの楽曲の充実ぶりに目を見張る。


この内容の濃さは、私的にはつんくさんが全精力を打ち込んで作り上げた、
娘。の「ファーストタイム」にも匹敵するんではないだろうかとさえ思うほどだ。
このアルバムを最初に聞いたとき、いったいつんくさんに何があったんだろうか・・・ ・・と、
失礼ながら思いさえした。


ただし、それぞれの曲にはそれほど強い主張はなく、
ごっちんつんくさんの持つある種のあくの強さはとことんまで薄められている。
しかしそれぞれがピリッとした味わいを持ち、すべてが高い水準にある。
そしてそれらの楽曲がすべて合わさって一体となることで全体の完成度が増す。
そういうアルバム本来の姿を示しているのが嬉しい。


しかし、そんな中でもひときわ私を骨の髄まで溶かしてしまいそうな楽曲がある。
2005年度ハロプロNo.1楽曲候補の登場だ。
そう、「シンガポール トランジット」である。


美しいメロディと奥行きのあるアレンジ、
そして清涼感あふれる新境地開拓といってもいいくらいのごっちんの歌唱。
派手さはないが、すべてが完璧なできばえで、まさに名曲である。


実は、私はこの歌を聴くたびに大好きな松田聖子の「一千一秒物語」を思い出す。
実に雰囲気が似ているのである。
直接聞き比べてみると確かに違う。しかし、その持っている空気が一緒なんだ。


ある意味、この楽曲で松田聖子の世界(もしくは昔のアイドル歌謡)に、
多少なりとも踏み込もうとしたんではなかろうか、とそんな気さえした。


最後に、この曲をぼんやり聞いていると、旅行中の歌と錯覚してしまう。
しかし実際は、まだ予定も決まっていない旅行のことを思い描いて、
彼氏に話して聞かせるというなんともありふれた日常の一こまなのである。


そんなところに、ちょっとひねりを入れたつんく流の粋の世界があるのかもしれない。


お次は、「渡良瀬橋


今感じるのは、後藤真希の「渡良瀬橋」はとてもいいっ!ということだ。
ハロプロコンで聞いたときの感想を、「あややとの差別化のためにさらに力が入りすぎ 」
と評してしまった私だが、アルバム収録は全く違う。
むしろ、あややが発散していた気負いがなくて、意識してか無意識か、
力が適度に抜けていて、ある意味ささやくような滑らかな歌い方が気に入った。


恋愛戦隊シツレンジャー


渡良瀬橋」に続いて、これも原曲よりはるかにGOOD!
この歌にはやはりごっちんが一番合っていること、
そして、ロック風のアレンジの妙味。これに尽きるだろう。
この歌が本当は秀逸な楽曲だったということがやっと分かった自分が情けない。


こんな風に、いつもならカバー曲をや個人バージョンを毛嫌いする私であるが、
今回に限っては、まったく新しい曲に出会えたような気がするほど。
一方でごっちんらしさが上手くでていたりで、とても心地よく聞かせてもらえた。


「来来!『幸福』」、「エキゾなDISCO


これらも新境地。いろんな顔を見せてくれるごっちんの成長と、
これからのはるかな可能性が強く感じられる。


「19歳のひとり言」


壮大なバラード。前アルバムのバラード色とは異なり、明るさの感じられる、
その穏やかさと深みが心地よい楽曲。


「ポジティブ元気!」、「ステーション」


お決まり、後藤真希の色が強烈にでた必須ライブナンバーの定番品。
ライブでの披露が楽しみ。


大河ドラマ収録の余波で?春は開催されなかったコンサート。
いや、待たされるくらいの方が本当はいいんだと思う。


そんな風に秋のツアーをますます楽しみにさせてくれる、名盤の登場でした。