モーニング娘。長野公演(4/24)

【序列社会の崩壊】


いつの間にか、体育会系運動部のような存在になっていた娘。の、序列社会がついに崩壊!!


設立当初は各位が同列のライバル同士、今は各位が同列の仲良しグループ、
そう言う性格の違いはあるけれど、
長らく娘。を支配してきた一つのタテ社会がついに消え去ったのだ!!


この日のMCの風景、特に夜の部のそれを表現すると、その雰囲気は和気藹々、
まるで楽屋裏トークのような和やかなMCのひととき。それはまったく悪い意味でなく、
そのほのぼのした「空気」がすごく私には新鮮に感じられたのだ。

なっち、圭織、やぐっちゃんが去り、娘。を形作っていた一つの定型は思いもよらず早くに終焉した。


もしもリーダーになっていたら、卒業した先輩の持っていた使命感や、
統率に向けた強い意思を先輩と同じ水準で確実に引き継いだであろう梨華ちゃん
(そんな梨華ちゃんも是非見たかったのだが・・・・・・)。
彼女は、卒業を間近に控え、リーダーに抜擢されなかったこともあり、
肩の力も抜け、「もうよっすぃに任せわよ」と言う感じでまったく気負いを感じさせない。


一方、この日最初のMCで、その出だしをやぐっちゃんから引き継いだ、
新娘。の中では一番の実力者であるみきてぃは、ソロ復帰が期待される言わば外様大名
彼女はこれからも、陰からリーダーを、娘。を支える役目を担っていくことだろう。
それは、たとえば、本番前緊張でがちがちの梨華ちゃんが、自分の心を静めるため、
泰然としているみきてぃの腕を取って寄りかかるように。
彼女は娘。を大きく覆う大樹・・・・・・・・。


さらに、5〜6期の間に上下関係はない。


そしてみんなを率いるのは、シャイで仲間のような心優しいリーダーよっすぃ。
サウンド・オブ・ミュージックの先生みたいだな。『さあ、みなさん一緒に歌いますよ〜』」(2chから)


あぁ、なんと言う絶妙の配合具合だろうか・・・・。


ハロモニ。によると、7期メンバーは来週に決まると言う。
7期メンバーが加入してくるまでの、ほんの短い間のひとときのこの至福の瞬間を、
ファンも娘。たち自身も心から味わっていこうではないか。



【一桁列台での観戦】


ミュージカルを除き、普通のホールでの娘。のライブで、実質上初めて一桁前半列を引き当てた。


アリーナでは一桁前半と言う実績はあったものの、横幅が異常に広かったり、
ステージとの距離が結構長かったり、ステージ自体の高さも高かったりと、
なかなか満足できるものではなかった。


だから今回の、前方席の、そのすばらしさと言ったら、もうまさに筆舌に尽くしがたい、とはこのことか。


今は、「すごい」と言う単純な言葉しかそれを表現する手立てがない。


ウン万も払ってヤフオクで前方席を購入するヲタの気持ちが初めて分かったような気がする・・・・。


目の前に繰り広げられたのは、まさに健康的で生き生きとした、
表情豊かなわれらが娘。たちの元気いっぱいのステージ。
一人一人が次から次へと目の前にやってくる。


高橋愛が、パワー全開、強烈な視線を客席に投げかけながら、まさに目の前で躍動する。
藤本美貴が、その美貌と華麗すぎる肢体でもって私の目を釘付けにする。
亀井絵里が、満面の笑顔で自身が感じている内面の幸せを私の心の中まで浸透させてくる。
道重さゆみが、その童顔とは対照的な白くてなまめかしい長い美脚を惜しげもなくさらして、そそってくる。
田中れいなが、年月を経るにつれなぜだか一層増すそのあどけなさで、
まるで親戚のかわいい赤ちゃんを目の前にしたときのように私の目を細めさせる。
石川梨華が、チャーミースマイル全開で、ますます女性らしさを増した全身から、
肉感的で魅惑的なフェロモンを放ち続ける。
小川麻琴が、ちょっとシャイに最前列付近に視線を投げてくるが、すぐそらしてしまう。
吉澤ひとみが、今の絶好調の自分をそのままに、実に楽しそうに踊りまくる。
紺野あさ美が、相変わらず飄々と平和な表情で踊る。
新垣里沙が、笑顔をいっぱいに何よりも自分自身が娘。であることを楽しんでいる。


かおりん辻ちゃん加護ちゃんもいなくなった後に前方の席が来てもなぁ・・・・・
なんて思いを心の片隅に抱いていた、いけな〜い私をまさに戒めるように、
この日のステージは私を強烈にノックアウトしたのでした。



【「直感」の振り付けの面白さ】


音的には「4thいきまっしょい」の「いきまっしょい」などの2番煎じとしか思えなかったので、
実はあまり期待していなかったのだけど、ステージのダンスはこれは相当面白くて楽しい。
かなり複雑だけれど、思わず真似してみたくなる。
魚の入った網を引く振り、片膝ついてこれも網?を引く振り、10人全員でやるウェーブ
(以前新曲の振り付けと勘違いして書いてしまいました)、
片手を振り上げたつま先にタッチさせるラインダンスのような動き、などまったく見所満載だ。
これは本当に楽しいなぁ。何度も見れば見るほどその深みが分かってくるとはこのことか。



【新しく変わってしまったから】


今回のライブでは、「モーニングコーヒー」、「恋愛レボリューション21」の他、
アルバム「3rd LOVEパラダイス」からも実に楽しい楽曲が演じられていて、
セットリスト的には完璧なのですが、これだけメンバーが代わってしまうと、
いくら「娘。スピリットは受け継がれている」と主張しても、やはり違和感が起きざるを得ないものもある。


たとえば、「モーコー」はもちろん娘。にとってのデビュー曲として大切な曲だが、
いまや誰一人としてオリジナルを歌ったメンバーはいない。
恋愛レボリューション21」も自分の中では圭織とか、辻加護、もちろん裕ちゃんの存在感が大きすぎて、
石吉コンビがいるとは言え、寂しさを禁じ得なくて、どうもいまいち乗り切れない。


一方、今回のライブでは演奏されていない「サマナイ」とか「抱いて HOLD ON ME!」などは、
面子が全然変わってしまっても、すごく味わい深く鑑賞できる・・・・。
あまり演じられる機会のないアルバム収録曲は、今回のようにとても楽しめる。


結局、個人的な思い入れから来ている印象に端を発しているだけなのだろうけど、
新しい娘。になったからには、あくまで基本姿勢としては、あまり古い曲をやるよりは、
今のメンバーが在籍しているときに発表した曲を中心にセットリストを編成していくと言うのも、
今後の方針として置いていいような気もします。