サルの歌

ある事がきっかけで、「愛の種」の歌詞について語ろうとしていた矢先、
その記念すべき日に残念な事件が明るみになってしまいました。


私自身はこの件について事実関係も分からないので、本当はどうだったの?
の類の不用意な発言は控えたいと思いますが、どうか一点だけ述べさせてください。


まず、「ゴーストライター」の存在云々という話は頑なに否定させてください。


実は、なっちが参考にした詩の一つに、私が昔ファンだった橘いずみ
歌詞があったことがとても心に響くのです。


橘いずみは、圭織のラジオ番組「今夜も交信中」にゲスト出演して下さった
徳永英明さんが、是非聞いてみて、と推薦されていたアーチストです。
もしかしたら、そんなきっかけでなっちも接する機会があったのかもしれません。


彼女は、人間の弱さを惜しげもなく吐露し、ある時はそれを過激な叫びに変え、
ある時は悲しげにささやきつづけることにより、私のような心弱き者たちの代弁者
だったのです。「サルの歌」はそんな作者の代表曲といってもいい歌です。

この歌を含めて、もしなっちがそんな橘いずみの世界にいくらかでも親しんで
いてくれていたのなら、ごくわずかなわだかまりを感じつつも、それ以上に、
なっちもくじけそうになったときがあったのかな、
この詩を読んで聞いてどんなことを感じたのかな、と思いを馳せ、
なっちにとても大きな心情的な親近感を感じるのです。そしてまた一方で、
見てくれている人がいた!という喜びも強かったというのが本音でしょうか。


今回のことで、インディーズから10年前の歌まで、なっちがいかに貪欲に
いい物を探していたのかが分かり、ある意味で感心しています。
とにかくなっちは詩を鑑賞し感じることが本当に好きだったんだなぁと、
かえってそのことが切々と感じられたのです。


今後、創作活動自体は制約を受けてしまいますが、「表現者」としての成長を
遂げていくために、引き続き、いろんなものに触れて、豊かな感受性を
磨きあげていってくれることを心から心から期待しています。


ほぼ2ヶ月にわたって活動自粛とのことですが、どうかまたいっぱいの笑顔で
私たちの前に現れてくれるのを心待ちにしています。


最後に・・・・・・・。


ファンならさ、出てきて謝れっ!なんてくどくど言うんじゃい。
ここ一番で暖かく応援するのは、お天道様が東から出て西に沈む以上に、
当たり前で当たり前のことじゃないの。
どこまでもどこまでもただ信じてついていくだけ。それがファンの証し。



「サルの歌」


淋しくなんかないんだよって 泣いてるのが子供
淋しい・・・つぶやいて涙隠す大人
そつなくうまく振る舞おうと 人の目を気にして
下手な芝居してた私 不自然なしぐさ


自分らしく 人と違う 路地裏歩き
意地になって 遠回りしてた
まねをしては 情けなくて 自分を責めた
お手本ならいくつもあったけれど


嘘をつくことにあきたなら 本音で生きてみて
敵を作ったなら こそこそ逃げ出し
悲しそうな表情したら 魅力的といわれ
空ばかり見ていたら 友が遠ざかる


孤独が好き ひとりが好き それは強がり
壁を作って きどってみても
私はここ 忘れないでと 叫んでいたよ
愛されたいと思っていた 本当は


爪を立ててひっかいたら 頭をなでられ
素直になれと やさしく あの人は笑う


まねをしては 照れ隠しで うつむいていたよ
人を認め ラクになれた
孤独が好き ひとりが好き それは強がり
愛されたい 本気で思った あの日


愛されたい 本気で思った あの日