渡良瀬橋

何とはなしにいい歌だと思いつつも、しっかりと聞き込むことはなかったこの名曲をあややがカバー。


足利市でのあややのライブ(10/16)に赴いたついでに
新曲の舞台となった渡良瀬橋に当然のことながら行って来ました。


橋自体はあややも驚いていたとおり鉄製なんですが
とにかく、広くゆったりと流れる渡良瀬川の風情と、
この川を中心に広がる足利市の美しさと言ったら・・・・。


当日は曇天で肌寒い空気でしたが、かえってその空気感が川の清流をより
美しいものに映し出していたのかもしれません。広大な関東平野に悠然と
広がる川原と、本当に人の少ない街並みが、ある種の空虚感となって、
何とも言えないはかなさを私に感じさせるのでした。


そんな肌で感じた風景が、この歌詞の世界をより叙情あるものに仕上げて
いることは間違いないと思います。この橋と足利市の風情をしっかりと拝み、
歩きとおしてきた後では、まったくこの歌から感じ取れるものが違います。


歌詞に出てくる、主人公の住む美しい街で束の間過ごした愛する人との思い出が、
あの街の風景の記憶と相俟って、あまりにも切なく私の心にキリキリと迫ってくる。


あややもこのライブの数日前に初めてこの橋、この街を訪れ、
いろんな感傷に浸ったことでしょう。大先輩の名曲をカバーすると言う
大仕事に対する責任感と使命感、そして喜びが相当強いものと思われ、
ついには、夜公演でアンコール後に2回目となる「渡良瀬橋」を披露する
こととなったのです。そしてそのすばらしい恩恵を私たちは幸運にも受けたのです。


そんな心意気の強さのせいか、歌声にはやや力みの入りすぎた感はありました。
先日のCDTVや昨日買ったばかりのCDの方が力が抜け具合が良かったかもしれません。
しかし、彼女のこの歌にかける思いをじかに私たちは受け取って、その時間を
あややとともに共有できたというのはなんとすばらしい体験だったことでしょう。
あややがこの名曲をまもなく自分のものとするのに何の疑いもありません。


彼女が「渡良瀬橋」をカバーすることになっているなんて、知らなかった私が
偶然にも足利市のライブを申し込んでいたのは、本当に幸運なことでした。


これからゆっくりゆっくりとこの名曲の世界に浸っていきたいと思います。