悪ノ娘(2019年再演)/田中れいな主演ミュージカル

悪ノ娘、再演が無事に幕を閉じました~
またまた、楽しくて、もの悲しくて、そして味わいのある世界を堪能しました♪


■初回、今世紀最大に泣いた

初演をたくさん観てきましたから、
再演の初日、次にリリアンヌとアレンがこうなって、こうなって、って
自分の頭がどんどん先に進んでしまって、
もうすぐ悲しい場面が訪れると思うと、
その場面が来る前から涙ぐんでしまって、
で、二人が服を交換する場面、
アレンの処刑を前にリリアンヌが一人語りする場面、
もう、ボロボロ泣いてしまいました。この日だけは初演時以上でした。

 

■さらに成長したリリアンヌこと、田中れいなちゃん

れいなちゃんの演技については、もう前回からほぼ完成していたと思うので、
改めてああだこうだ言う必要もないかと思います。

参考:2年前のブログ
https://forever-mm.hatenadiary.jp/entry/20170610


そうは言っても新たに感じたのは、台詞や歌に、より抑揚がつていおり、
ためが効いていて、聞かせるとこは強くはっきりと、
細やかな感情はより繊細に、そんな工夫が随所に見られた気がしました。

歌では、特に「リグレットメッセージ」でのメリハリが強くなったような気がしました。

演技では、動きもより大きく、はっきりと、という意識があったかと思います。
例えば、序盤、レオンハルトに対する不満を表す時の物の言いようが
より激しく、なってました。手で直接胸をつかんだり、突いたりという
演出面の変更も効果的でした。
台詞では、アレンにレオンハルトを襲わせる直前の場面、
「あなたに明日があったらね」、とか、
「この辺は最近野犬が出るそう」、とか言うくだりの、
ための効かせ方が素晴らしかったです(^^


幼少期にアレンと海岸で戯れる場面では、
より可愛らしく、手のふりを大きくしたりして、
あの私のとっても大好きな場面が、
より愛らしく幸せな空気に包まれました。


あと、最大の見せ場である、「跪きなさい」の言い方。
初演では、「ひ」にアクセントを置く、
力強いイントネーションが印象的だったんですが、
再演では、初演のパターンに加えて、
「なさい」が強めで尻上がりになっていくような言い方もあったような気がします。
(前者はとげとげしく、後者はやや可愛らしく聞こえた、とのコメントがあり)
その場の空気によって、自然と言い方が変わってたんだと思います。
そんなことも進歩の一つなんだと実感しました。


千秋楽直後のブログでもそういった変化に、れいなちゃん自身が触れていました。
「前回から変えようと思ったけど、ああしようこうしようというアイデアが自然にポンポン出てきた」と。

その辺のところ、アンコール後の実際のMCでは
「れーなも、お芝居の世界に足を踏み入れてるな」と自分で実感したそうです(^^
この言葉に、共演者の方々から「おおおお!!!」と感嘆の声が上がりました。


いよいよ、れいなちゃんの役者人生本格化と言うところですかね(^^

 

■相変わらず大きなお目目から流れ落ちる涙
(れいなちゃんブログへのコメントから流用)

【涙】
涙、今回もばんばん出てましたね
今回は、ついに!最前列中央で見させてもらうことができたので、
れいなちゃんの涙も一番近くで堪能しましたよ
服を交換しようという場面に加えて、アレンが処刑される場面での一人語り、
ここでの涙も素晴らしい
あそこは本当に気持ちが入っていないと涙が出なさそう

そして、今回は成り行きに任せようとして、
それできちんと泣けたなんて、もう本当に一流の役者さんですね!

頬を伝う涙、本当に美しかった~♪
目が大きいだけに、ほんと、キラキラしてましたよね
忘れません、あの輝き・・・・

 

■再演で変わったところ(リリアンヌ関連)

再演ではもちろん追加された場面が重要なのですが、
リリアンヌ関連では、その残虐性をより示すために、
罪のない民衆に処刑を命じる場面が追加されました。

これは結構圧巻でしたね・・・・
「気に入らんん、その者の首をはねよ」
「ぎゃーーーー」
というやり取りが数回繰り返されます。。。。(怖・・・・・・)(笑)

この追加は確かに効果的でした。
初演では、兄の復讐のためリリアンヌを襲ってきた給仕?に処刑を命じただけで、
後は、台詞の中でしか、残酷性は語られませんでしたから。


演出の変更も色々あって、その一例は次のようなもの。

私の大好きな台詞、レオンハルトに「解雇処分となりまして」と言うところ、
初演では、二人は遠く離れてにらみ合っていたのですが、
再演では、リリアンヌが剣をレオンハルトの喉元に突きつける風に、
演出が変更されてました。緊迫感が増しましたね。
(遠く離れての掛け合いも良かったですが)


あと、玉座の椅子が立派になってました(笑)


ラストシーンで、リリアンヌがクラリスに「跪きなさい」と命ずるところ、
初演では短剣をまっすぐ伸ばしてましたが、
再演では、短剣を直角に握って刃先を下に向け、振り下ろそうとする形でした

その直前、閉じ込められた小屋をぶち破って出てくる場面、
再演では、うつむき加減を維持していて歩いて来て、
より怖さが感じられました(細かい!・・・・)

 

リリアンヌと青の王子のコント

あと、コントの場面が自然発生的に生まれましたね。
青の王子が、リリアンヌの年齢について「14歳?・・」とびっくりする場面。
その時、リリアンヌは後方の玉座から、思いっきりお茶目に、
青の王子に愛想を振りまき続けているのですが、

カイル王子演じる谷やん(谷佳樹さん)が、公演の序盤は、
「(実年齢との差にもめげず、れいなちゃんが)がんばってる!」
と突込んだりしてました。
また、愛想振りまくれいなちゃんの演技をじっと見つめるだけで、
なかなか次の台詞に移ろうとしない谷やんに、
れいなちゃんが、小声で「長くない???」と尋ねたり(笑)。

あと覚えてるのは、以下もありました(^^

谷さん<(たけしの物まねで)なんだこの野郎!
(れいなちゃんが「コマネチ」)
谷さん<よし!頑張った!

公演終盤は、れいなちゃんが、カイル王子やアルカトイル(岩崎良祐さん)に、
投げキッス攻撃したり、拳銃でバンバン打つしぐさをして、
二人がそれを必死に避けるコントをやったり。


つまり、怖さが増幅された今回のリリアンヌに、
それとは真逆の面白さも追加されたわけですね(^^
それぞれが引き立つ形になっていました。

 

■アレン役星波さん

今回の最大の見どころの一つは、アレン役の星波さんです。
かっこいい男役のグループに所属している方なので、
ボーイッシュはお手の物です。顔が美形なので、男役もはまるんです。

前回の山本和臣さんとの違いは、
山本さんが、アレンの鬱屈をよりにじみ出させていたのに対し、
星波さんは、感情の高ぶりをより強く出していた、そんな印象を受けました。
なので、演技がとにかく熱かった!

義父のレオンハルトを手にかける場面などの、
狂気にかられた表情、目をかっと見開いたその凄味も圧巻でした。


一方で、れいなちゃんもブログに書いてましたが、
リリアンヌに対して、常に優しく、守ってやるというそんな姿勢が、
台詞のない場面や、客席に背を向けている場面でも、
しっかりとアレンを演じてくれて、
とても支えられたし、嬉しかったと述べてましたね。

そういう、微笑みの表情や、優しさもしっかりと出ていて、
とても素晴らしい演技でした。
台詞も効きやすいし、あと、歌もうまいし、
おまけに殺陣もなかなかのもので、完璧だったんではないでしょうか。


最後に、星波さん、時々舞台の最前に来た際、
身をかがめて、前列のお客さんに視線をロックオンして台詞を言うんですが!
私、一度視線をもらいまして・・・・(汗)
思わず、彼(彼女)に対して、うんうんとうなずいてしまったんですが(笑)
まさに恋に落ちてしまいそうでした・・・・・。心臓止まりそうでした・・・・

 

■その他(初演との比較など)

今回は歌が上手い方が多くて、聴きごたえがありました
特に、yucatさん、はしもん(橋本愛奈さん)、西野亜弥さん、宮崎理奈さん
(全部女性やん・・・)
yucatさんは、さすがのシンガーソングライターです
西野さんは、かわいいなぁ~
声の質と言い、顔の表情と言い、みきてぃ(藤本美貴)を彷彿とさせました
エルルカ(橋本さん)役、およびその歌は新規追加ですが、
流れゆく物語を客観的にとらえた感じの構成がすごく印象的でした。


れいなちゃんもそうだったんですが、
出演者全員の演技が、はっきりと強くなっており、
より濃く、説得力あるものになっていました。
筋書やその場の感情・情緒がより際立つような工夫がされていた気がします。


あと、初演で物語の分かりにくかった部分が、何か所も修正されていて、
よりすらすらと頭に入ってくる演出になってたんではないでしょうか。
たとえば前回アンケートに分かりにくいと書いた、
悪役(青の国のスパイ役)ネイ(西野さん)の役割、
カエラを焼き殺す手立てを行ったと事が、より分かりやすく演出されてました。


殺陣は最初、全体的にあれっ?前の出演者の方が上手かったかな?
って思う方もちらほらいたんですが、だんだん切れ味が上がっていったと思います。
あ、谷やんは別格のうまさですので。


あと、反乱軍と国防軍が対決する場面、
ミナージュらがジェルメイヌに
「この者たち、相当の手練れ、ここは我々にお任せを」と言う場面、
その手練れの兵士が、今回、槍を操ってました。これは素晴らしい~

 

■使用人娘。'19

コントの場面としては、大富豪のキールが、自分で鼻歌を歌って、
あれ?自分には作詞作曲の才能がある?と勘違い発言をする場面、


前半のコントは、
「よし、使用人が46人いるから、『大富豪46』を結成しよう。
そして握手会をとかしよう」、だったのですが、


後半は、
「よし、うちには使用人の娘たちが、19人いるから、
そうだ、『使用人娘。'19』を結成しよう」
に変わって、言った後、恋レボやラブマの振りマネをする展開で、
会場から拍手喝采が起きました(笑)
(ちなみに、千秋楽では、普通の、『使用人娘。』になってました)
(使用人ング娘。と言ったとの指摘あり)

 

■まとめ

こうやって、書いていると、ああ、もっと見ておけばよかった・・・・
13回行って、リリアンヌのサインいりA4写真もらっとけばよかった・・・
と後悔の念が・・・・
やらずに後悔するより、やって後悔せよ、ですよね・・・・
次回はまた検討しよう
(再演だから13回はつらいかな、と思った自分に駄目印)

 

■れいなちゃんMC(簡単に・・・・?)


【4月6日(土)】 初回公演後あいさつ

挨拶では、演者が違うと気持ちも変わるんだなとの感想。
星波ちゃんが気持ちをぶつけてくれて、
自分もこんな気持ちになるんだとびっくりしたとか。

从*´ ヮ`)<でこツンは星波ちゃんのアイデアで、ほんとイケメン(^^)


【4月8日(月)】 アフタートーク

福岡が同郷のれいなちゃんと宮崎さん、アフタートークでまたまた、
リリアンヌとクラリスの深刻なシーンの(笑)博多弁バージョンやってくれました♪

宮崎さんの「なんそれ?」とか、
れいなちゃんの「死んでしまったと。アレンは・・・してくれたと」とか(^^)

あと、他の役をやるならだれがいい?と言う質問に

从*´ ヮ`)<
アレンは、演技も歌も殺陣もすべてこなさないといけないので、無理(笑)
カエラをやりたい。楽しそう。みんなに可愛がられてて、歌うとこが多い
「ねぎの歌」を歌いたい

从*´ ヮ`)<
星波さんは台詞の無いところでも、しっかりアレンを演じてくれて、
訴えかけてくれるのが頼もしい。ラストの場面とかズルい位。
死ぬ前なのにニコニコして・・・


星波さん、リハを通じて畏れ多くて座ったことがないと言う玉座に、
皆に勧められて鎮座。カッコイイ!と歓声が湧く。
そして「首を跳ねてしまえ!」と一喝
れいなちゃんが「あーれー」とやられる真似(笑)
星波さん、後で「あっ!『跪きなさい!』って言えばよかった!」

さらに、シャルテット役の搗宮姫奈さんも、
リリアンヌの跪きなさいやりたいと言って
実演し、れいなちゃんが跪く展開に(笑)


【4月10日(水)】 アフタートーク

Q:役の人物の中で結婚したいと思うキャラクターは誰?

从*´ ヮ`)<
(大富豪の)キール。お金持ちやし(笑)
(鉄壁の回答でした)


Q:他の役柄の台詞で好きな台詞は何?

从*´ ヮ`)<
うーん、今すぐに思いつかんし・・・・あとでブログに書くね
(と言って、確か、まだ書いてないはず・・・・(笑))


Q:「跪きなさい」の台詞をそれぞれお願いします

从*´ ヮ`)<
えっ、れーな、そのままやん
(と言って、他の3人が言ったあと、最後に本家の台詞でその場を締める)

 

【4月11日(木)】 アフタートーク

Q:4月から新社会人です。初月給を何に使えばいいでしょうか

出演者の回答
親御さんと家族旅行しようという結論に


最後のMCで、
从*´ ヮ`)<
稽古を普通に見てたら、機嫌悪いんですか?と聞かれる顔立ちだから、
こうやって見てます(会場から笑い)
(と目をぱちっと開いて口角をあげてアヒルさんのような、
スマイルマークのようなお顔をするれいなちゃんがメチャクチャ可愛かった)

 

【4月14日(日)】 千穐楽アンコMC

再演だったので新しい作品として取り組もうとしました。
最初は変えようという意識が強かったけど、
2年も空いてるので、ああしよう、こうしようと言うのが自然と出て来て、
れーな、お芝居の世界に足踏み入れてるなと思いました
(共演者の方「おおお!!」)

今回星波さんから得ることが多くて一番好きなとこは、ブログに書くね(笑)。
星波さんは台詞の無い時、後ろ向いてる時でも、
しっかりアレンを演じてくれてて、気持ちが繋がることができました。
芝居に対する気持ちの面でも共演者の皆さんから刺激を受けて、
15公演新しい気持ちで取り組めました

 

■最後にどうしても書きたいこと

れいなちゃんが、金曜日の公演で「孤独の王女」を歌い終わったあと、
一人だけパチパチ拍手してくれて、うれしかったと書いてましたね
「勇気いったやろね、ありがとう」とも。

れいなちゃんの人の心まで思いやれる、その優しさに何よりも感動しました。
なんてすばらしい女性なんだろう
この人にずっとついて行きたい、真にそう思った私でした。